東野裕初期短編集 愛撫
『東野裕初期短編集 愛撫』はこんなお話
学園の影のアイドル「姫」を手に入れた生徒会長の嘉納の鬼畜な手管とは!? その手で、その唇でより深く満たされたい。
初々しさが溢れる身体の関係が海の波のように押し寄せては引きとその駆け引きが非常に興味をそそる東野作品の短編集になっています。初物のセックスが波のように寄せては引きと非常に面白い。
短編集の割には、中身が恋ストーリーが非常によく、最近の東野作品の中でもよくできている作品です。短い中できちんと起承転結がありそれぞれが1つの小説になっているのがすばらしい作品です。
マニアックな局面は少なく普通に誰でもが読みやすい絵とストーリーになっています。
表紙が特によくできていて、表紙を見ると読んでみたくなる作品ではないでしょうか。
表紙とは裏腹に、なんども読みたくなるほどの作品ではないのが、ちょっと物足りない感じがします。
ただ、短編集ということもあり、読み返して読みたくなることがないとも言えます。東野作品の原点とも思えるように、各短編の全編に著者の解説付きになっています。
中でも、待ってるだけじゃダメでしょう!』、は特にお気に入りで、高校教諭・圭吾の元にいきなり転がり込んだのは、奔放な少年の幸也である。
実は広告の合格発表で知り合った圭吾と一緒にいたいという気持ちが大きくなりついに圭吾のもとに転がり込んで、淡々と世話をしていた圭吾がベットで獣になり、止まらなくなっていく過程が非常に面白い作品です。