高瀬邸恋事変
『高瀬邸恋事変』はこんなお話
唯一の肉親を亡くし、兄の友人である高瀬の元に居候することになった葉月。
着物で日常生活を送る高瀬は、礼儀作法にも料理の味付けにも五月蠅いスパルタな男だった!!
でも、時々見せる優しさが嬉しくて…反発していた葉月も家族以上の想いを抱くようになり――!?
純真少年が挑む、スパルタ保護者様との幸せ同居生活。唯一の身寄りであった兄・雪弥を亡くした葉月はロンドンへ出向いた兄の友人・阿南を待つ為に同じく兄の友人の高瀬の邸宅に転がり込む。
儀礼作法に五月蝿い高瀬に厳しく躾けられてしまい、反発する葉月であったが、ある日高瀬に惹かれる自分の気持ちに気付き揺れ惑う。
心の揺れ動く感情をよく表現されていて、読んでいてついつい先はどうなっているのだろうと思えるところがプロの漫画家を実感します。不器用な年長者の心を愛に飢えた真っ直ぐな年少者が解し、そして新しい日々を紡ぐと言う物語になっています。
肌を重ねる場面に烈しさはあるのですが、只烈しいだけではなくその烈しさに籠められたものを解きほぐして見せるという過程が加わる為、ややあっさりした感じに見えるかと思われます。
ただ、エロさが控えめですが、しっかりとしたストーリーが目立つので、読んでいて飽きない優秀な作品と思えます。読んでみて損をしないと思われる、おすすめできる作品の1つであります。