卒業生-春-
『卒業生-春-』はこんなお話
佐条の受験まであと数日。学校の帰り道、将来について草壁は「養子縁組とかすんでしょ」と浮かれて話すが、世間はそんなに甘くないと猛反発する佐条です。
仲直りする間もなく受験会場のある京都まで向かうと、先回りした草壁が待っていた。試験前日、初めて二人きりの夜を過ごすことになり・・・。
ゆれる青春時代の思い出を綴った人気シリーズ遂に完結です!
草壁が佐条の家にいくといきなり佐条が抱きついてきて、「はいどうも」というのだが、佐条独特のこの行動には笑いが出てきます。
京都では、2人喧嘩になるのですが、未来のことで、やっぱり好き同士だということで仲直りしてしまうところは、ほのぼのとしていて楽しくなります。喧嘩が喧嘩ではなくなるところがいいですね。
そして最後には、ハッピーエンドで終わるところは、やっぱりと思えて心が穏やかになります。純粋な恋愛小説のような展開の中にエロあり喧嘩ありで、楽しませてくれます。
BLらしからぬエロさはあまりないようにおもいますが、純愛のストーリーがわたしは好きです。純愛を嫌う人には、面白くないBL作品ではないでしょうか。
佐条を精神的にサポートしている草壁の優しさには、現在なくされかけている人情を感じる部分があり、現実の世界でも損得だけではなくもう少し人情があれば、もっといい世の中になるのではないかなあーと思わせる作品です。